愉しく、ゆったり、のびやかに、自分らしく生きたいものですね。

33rpm 〜 Life+ 〜

Life+ 〜 No Smile, No Life 〜

〜 UKパンクに魅せられた80年代 〜 記憶を記録

当時、USパンク・NYパンクのどちらも、音楽性やそれぞれのバンドの個性もおもしろく、手当たりしだいに聴き漁っていましたが、ガッツリとはハマってしまったのはUKパンクでした。

不況による若者たちの失業だとか、アイルランド紛争だとか、英国の混沌とした社会的背景が絡んでいて、国や政治に対する若者たちのフラストレーション、やるせなさ、憤りがその誕生の背景にあるとか、それまでのトラディショナルな音楽スタイルをうち破り、3コードでも音楽はできる、むしろテクニックよりメッセージ性、きちんとした衣装なんて必要ないと、ボロボロの普段着で激しいステージング、にすっかり感化されてしまいました。

とはいえ、ビートルズストーンズのようなそれまでのロックを否定するわけでなく、単に「自分たちでもできそう」といった勝手な親近感と、社会や学校の窮屈さに反発する思春期の反発心がうまくそれとマッチし、「格式や伝統なんて・・」といったパンク精神を崇拝するプチ思想家みたいな自分に酔ってしまったのだろうなと。 自己陶酔ですね。

とはいえ、当時の日本は、反抗=ヤンキー、というのがメジャーで、パンクはぐっとマイナーな存在。 でも、バンクスにはそれが誇りでもありました。

自分たちの源流は、東京でもない日本でもなく、最新の音楽とファッション発のロンドン。 だから、ちょっと他とはセンスが違うんですよ、みたいな、変な優越感。 まんまと、マルコム・マクラーレンのパンク・ビジネスにハマってしまったひとりですね (苦笑)

入りは王道の、セックスピストルズ。 「アナーキー・イン・ザ・UK」や「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」をレコードで初めて聴いたときの衝撃はいまでもハッキリと。 針を落とした瞬間に、頭の中がパニック! 画像、映像で彼らを見た時は、さらなる衝撃。 カラフルでツンツンのヘアー・スタイル、皮ジャンにバッチやビョウ、安全ピン、ネック・チェーン、手錠、ガーゼのシャツや足枷のついたパンツ、ビリビリのシャツやパンツ・・。 パンク・ファッションとセットで見た、唾を吐きかけたり、暴れたりする、乱暴的なステージング。 それに喜ぶ、同じような格好をした若者たち。 頭が良いんだか悪いんだかわからなかった、ジョニー・ロットン。 壮絶な死で終わった、シド・ヴィシャス。 2人の個性的で伝説的なパンク・ロッカーの存在も、UKパンクにハマった大きなきっかけです。

次に、クラッシュ。 彼らには、ピストルズ以上に社会に対する強い怒りを感じ、骨太なパンクのカッコよさに魅力されました。 最初の頃の音楽性は、ちょっと乱暴で雑な感じがしたけれど、出すアルバムごとに音楽の質に厚みが増していったような。 名曲の「ロンドン・コーリング」から、ディスコチックな「ロック・ザ・カスバ」、スピード感がバッチリの「ブランド・ニュー・キャデラック」。 音楽性の進化も著しいバンドでした。

ピストルズとクラッシュに、もうひとつバンドを加えて「3大パンク・バンド」と表現されますが、そのバンドは人によっていろいろです。

ディヴ・ヴァニアンとキャプテン・センシブルといった二つの個性が特徴のダムドや、もとはパティ・スミス・グループのサポートバンドとして名が知られ、あの日本通で三島由紀夫氏に傾倒していたジャン・ジャック・バーネルを中心に過激なステージで話題だったストラングラーズ

日本では少し地味な印象で、パンクというよりもむしろモッズ的な要素の強かったジャム。

その他には、バズコックスや、ビリー・アイドルがいたジェネレーションX。

その後、UKパンクをきっかけに、テレビジョン、ブロンディ、トーキング・ヘッズパティ・スミスなど、個性的なアーティストにも興味の幅が広がりました。

イギー・ポップニューヨーク・ドールズラモーンズルー・リード、ヴェルベット・アンダーグラウンド、ニコとか、逆にUKパンクに影響を与えていたアメリカのバンドやアーティストなども。

単調だけど激しいサウンド、過激な歌詞、挑発的なステージングやファッションは、とてつもなくパワフルでエネルギッシュで、新鮮で、おもしろいバンドやアーティストがいっぱいでした。

パンクというカテゴリーも、80年代から90年代にかけて、ハードコア・パンク、Oiパンク、パンカビリー、ガレージ・パンク、ポジティブ・パンク、スカ系・カルト系、ポップ系、メロコア系など、いろいろなジャンルに細分化され、さまざまなバンドが台頭してきました。

また、パンク・ロックが引きがねとなって、その後、ロンドンを中心に、空前のディスコ・ブームと相まって、「ニュー・ウェーブ」という、今までとは違う音楽のスタイルがどんどん広がっていき、私の関心もバンクの枠を超え、こちらにシフトしていきました。

おしまい